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             アレルギーについて

 体に病原体や異物が侵入したときに、それを防御する反応のひとつを免疫と言います。この免疫の機能にくるいが生じた為に、自分自身を攻撃してしまい結果として症状が現れる病気をアレルギーと言います。また、アレルギーを引き起こす原因の物質を抗原と呼びます。

 近年、花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎と言ったアレルギー疾患が人で急激に増えていますが、その原因として、科学物質による大気汚染や食事の変化、等が指摘されています。動物でも人と同じようにアレルギー疾患は非常にふえてきています。中でも犬については症例数が多く獣医学の分野でも研究が進んできています。

 

              犬のアレルギーの特徴

 人に比べて床や地面に接して生活している為に抗原(ハウスダスト)に触れたり、吸引する機会が多い。

 1年で性成熟する為に、遺伝的な素因が伝わる速度が速い。

 抗原が体に侵入したとき、細胞から放出されるかゆみの原因となる物質の中でヒスタミンの役割が低い。(したがって、抗ヒスタミン薬の効果が低い。)

 

              アトピー性皮膚炎

 アトピ-は遺伝的素因が関与したかゆみを主徴とした慢性皮膚疾患で、ハウスダスト、カビ、ノミ、食事、草の花粉等が原因で発症します。通常は3歳までに発症する事が多く、掻く事と慢性化することにより様々な合併症を併発します。

                診断

 診断基準に合致した臨床症状 

 原発性脂漏症、膿皮症、ニキビダニ、ノミアレルギー、食物アレルギーとの鑑別診断

 皮内反応 、血清アレルギー検査(特異性に欠けるので確定診断とはならない。)

                治療

スギ花粉症の人が、沖縄のようなスギのない地域に引っ越すと花粉症は起こらなくなります。犬のアトピーも同様にアレルギーの原因物質を排除することが重要となります。しかし、常に原因物質を特定できるとは限りません、また、もし特定できたとしても原因物質を排除できない事もあります。従って犬のアトピーの治療の為には環境の管理と同時に様々な症状に応じた、適切な治療が必要となります。

              原因物質の回避

環境の中のアレルゲンを完全にコントロールすることは非常に難しく、いくらきれいに掃除をしてもアレルギーが直る訳ではありません、花粉症の人がマスクを使用するのと同様に少しでもかゆみを減らしたり、投薬の期間や量を減らす為に、さまざまな治療と同時に行う事が必要です。

ノミ

ノミのだ液は抗原性が強く、ノミが吸血するとき体内に入りかゆみの原因になることがあります。したがって、ノミは確実に予防する必要があります。

ハウスダストマイト

最も原因物質になりやすいハウスダストマイト(ホコリの中で生活する小さなダニ)を生活環境の中からできるだけ少なくすることが重要です。ダニは高温多湿を好むので、夏の間はエアコンで湿度を50%前後に維持します。また、床の素材はフローリングが掃除しやすくダニを減らす為には有効です。掃除機はなるべく丁寧にゆっくりかけ、カーテンやふとんも専用のノズルを使用して行います。ふとんは特にダニが繁殖しやすいのでダニを防止するフトンバカバーも有効です。

花粉

花粉がアレルギーの原因となる場合には症状に季節性が見られます。5月~10月にかけてはイネ科のカモガヤ8月~10月にかけてはキク科のブタクサ等の花粉が飛来するのでこの時期に悪化します。また、人では2月~5月にかけて飛ぶ スギやヒノキの花粉が花粉症として問題となりますが、犬では人のような花粉症はありません。草の花粉がアレルギーの原因として疑われる場合は、花粉が飛ぶ時期に、なるべく室内で生活するようにします。

              食事

あらゆる食物がアレルギーの原因となりますが 、食事からのアレルギーが疑われた場合はアレルギーの原因となる蛋白原を除いた処方食を使用します。副食を中止し水と処方食のみを与え4週間経過を観察します。

              スキンケアー

最も重要なのがシャンプーで、皮膚についたアレルゲンやだ液の除去、補湿、感染予防等の効果があります。脂漏症が見られる場合は二硫化セレンの含有されているシャンプー、ドライスキンでは保湿剤が含まれている物、膿皮症やニキビダニ等の感染が有る場合は、殺菌剤や殺虫成分を含有するシャンプー等、必要に応じた使い分けが必要です。また季節や症状に応じて、回数を決め定期的に行います。

              減感作

アトピーは単純に病気と言うより、体質と言った方があてはまる面をもつています。もし、すべてのアレルゲンと接触がなければ、まったく健康な動物と同じように生活できます。人ではゼンソクの治療でハウスダストの減感作が効果を上げていますが、花粉症の減感作は、花粉が飛ぶ時期のコントロールが難しく、あまり一般的でないようです。犬のアトピーでも大学病院や専門病院で減感作が行われることがありますが、現時点では使用するアレルゲンの種類、量、回数等が標準化されておらず試行錯誤の段階です。

              薬物療法

抗生物質

アトピーの動物では皮膚のバリヤ機構が働きにくくなるため、細菌感染症がよく見られます。犬の皮膚に関係する細菌については比較的良く研究されているので、標準的な抗生物質治療で良く反応します。

ステロイド

合併症のないアトピーはステロイドで非常に良く反応します。しかし、現在の獣医学ではアトピーの治療でステロイドを単独で使用することはほとんど有りません。実際には抗ヒスタミン剤や不飽和脂肪酸を併用しスキンケアーとともにアレルゲンの回避を検討していきます。アトピーの治療は、薬でむりに押さえ込むのではなく、生まれもった体質としてうまくコントロールする為に、一つの手段としてステロイドが使用されています。

ステロイドの副作用

ステロイドの最も問題となる副作用は体の抵抗力の低下です。特に慢性の膀胱炎などがあるときは、注意して使用する必要があります。また、胃酸の分泌を促したり、胃壁を保護している粘液の分泌を減らす作用があるので、慢性の胃炎に対しても注意する必要があります。ステロイドを使用すると、食欲が異常に亢進したり、水をたくさん飲み、多量の尿を排泄する事がありますが、この場合は用量を減らす事により改善します。実際にステロイドを使用するときには最低の用量で1日置きに投薬することで副作用を出さないようにして、症状をコントロールします。

抗ヒスタミン薬

軽症のアトピーでは単独で症状が改善することもありますが、一般的にはステロイドと併用し、ステロイドの投薬料や投薬期間を短くする目的で使用します。

不飽和脂肪酸

エイコサペンタエン酸やγリノレン酸が食品に添加されたり、サプリメントとして使用されます。これらの不飽和脂肪酸はかゆみの原因となるプロスタグランジンやロイコトリエンの産生を抑制する作用があります。